豚肉は家庭料理レシピが豊富で
タンパク質補給にも最適なので
どのご家庭でも人気が高い食材の一つ
だと思います。
私は肉好きで、どのお肉も好きですが
家で料理するときは、価格も手頃な
豚肉の割合が高くなります。
昔から自宅で調理する際、
豚肉や鶏肉は十分に加熱してからでないと
食べてはいけないと聞かされてきました。
でも先日豚肉を加熱しているのに、
いくら炒めても赤みが取れず、
ピンク色のままだったので
絶対に火は通っているはずだけど、
このまま食べても大丈夫かな?
と心配になり調べてみました。
豚肉はまだ赤いまま食べても大丈夫なの?
どうして加熱しているのに、
赤っぽい色やピンク色のままなの?
そんな疑問にお答えします!
豚肉の生焼けは危険!中までしっかり加熱して食べましょう
厚生労働省による豚肉の加熱に関する注意事項を知る
海外事情は少し異なるようですが、
日本では食べ物や薬品の規制が
かなり厳しいです。
厚生労働省では、平成27年6月から、
豚の肉や内臓(レバーなど)を
生食用として販売・提供することを
禁止しています
厚労省の「お肉はよく焼いて食べよう」の
ページではこと細かに注意喚起され、
一般用、飲食店用、食肉販売店用など
さまざまなパンフレットのPDFが
ダウンロードできるようになっています。
豚肉を生で食べることはもちろん、
加熱が不十分で赤いまま、または
ピンク色の場合には注意が必要だ
ということです。
理由としては以下のように説明されています。
牛や豚などは、と畜場で解体処理する過程で腸内にいる腸管出血性大腸菌やサルモネラのような病原性の細菌がお肉や内臓に付着したり、E型肝炎ウイルスなどの人に害を与えるウイルスや寄生虫に感染している場合があります。
このため、新鮮なものかどうかに関わらず、生や加熱不十分なものは重篤な食中毒が発生する危険性があります。出典:厚生労働省「お肉はよく焼いて食べよう」
なるほど!
ウィルスや寄生虫感染予防ということで
納得です。
また、以下の理由も述べられています。
豚レバーをはじめとする豚、イノシシ、シカのお肉や内臓を生で食べると、E型肝炎ウイルスに感染するリスクがあります。E型肝炎は、劇症化し死に至る危険性もあります。
また、豚レバーを生で食べると、サルモネラや、カンピロバクター・ジェジュニ/コリ等の細菌による食中毒のリスクがあるほか、世界では、豚からの有鉤条虫、旋毛虫等の寄生虫への感染も報告されています。出典:厚生労働省「お肉はよく焼いて食べよう」
ふむふむ、感染リスクは致死に至る危険性
もあり、さらに食中毒の恐れもある
ということですね。
豚肉の加熱時間はどれくらい?赤いのが生焼けなら食べない!
豚肉を自宅で調理している時に
温度計などを使っている人は
ほとんどいないでしょう。
しかし、厚生労働省の
「お肉はよく焼いて食べよう」ページにある
販売店掲示用パンフレットには
以下のように明記されています。
牛・豚のレバーや豚肉を原料として
調理する場合は、中心部まで十分に
加熱しなければなりません。
(中心部の温度が63°Cで30分間以上、
または75°Cで1分間以上など)
63℃の熱で30分以上、75℃の熱で1分以上
加熱することによりほとんどの病原菌は
死滅するからだそうです。
通常、業務用より住宅用のガスの方が
火力が弱いはずです。
オール電化も心もとない気がします。
ですから、自宅で豚肉を調理する場合は
赤みがなくなるまで十分すぎるほど
加熱した方が安心です。
とはいえ、加熱しすぎてお肉がパサパサや
カリカリになってしまってはおいしいさが
半減してしまいます。
普通なら、十分に加熱されると
豚肉は赤い色やピンク色から白っぽい色に
変わります。
肉の色で判断できない場合は、
63℃の熱で30分以上、75℃の熱で1分以上
というのを意識してみましょう。
心配性の方には調理用温度計を使うという
手もありますよ。
とにかく、加熱不十分でまだ赤いと感じる
場合は食べないことが先決です。
豚肉を加熱したのに赤い、ピンク色のままである理由は?
豚肉がちょっと赤い、ピンク色だからといって生焼けじゃない時もある
豚肉を加熱したのにまだちょっと赤い!
十分火を通したはずなのにピンク色のまま!
このような場合は必ず生焼けなのか?
というと実はそうではありません。
紛らわしい~!!!
でも事実そうなので仕方がありません。
JAS登録認証機関・厚生労働省登録検査
機関・ISO/IEC17025(PJLA)
認定試験所という
何とも長くもっともらしい肩書を持つ、
一般社団法人「食肉科学技術研究所」の
科研コラム
#12 加熱食肉の赤色現象はなぜ生じるか?
(2016年4月号)によると、
そうです。ざっくりいうと、
鉄は還元状態で赤色をしているが、
加熱されると鉄は酸化されて褐色になる
ということです。
しかし、塩漬食肉製品の桃赤色や
加熱食肉の赤色現象の原因として、
加熱しても変性しない
耐熱性の未変性ミオグロビンが存在する
ことがわかり、
鉄の酸化防止作用を維持しているため鉄の還元状態が維持され(酸化せずに)
赤いままだったりピンク色だったりする
ので、そのような場合は衛生上にも問題なく
食べても大丈夫だということです。
出典:一般社団法人「食肉科学技術研究所」科研コラム #12 加熱食肉の赤色現象はなぜ生じるか?(2016年4月号)
そういわれると、なかなか赤みが取れない
と心配になった豚肉は塩麹漬けだった!
すごく納得、そしてちょっとビックリ!
豚肉を加熱しても赤いままだったり、
ピンク色のままだったりする原因が
科学で証明されているのがすごい!
冷静に考えれば、科学的な説明は
当たり前のことかもしれませんが、
科捜研の女を連想してしまい、
大事件の解決に至ったような
スッキリ感があります。
これで加熱後もちょっと赤かったり、
ピンク色だったりする豚肉を食べても
大丈夫だとわかって安心しました。
豚肉が生焼けか十分加熱されているかどうやって判断したらいい?
豚肉を加熱しても赤いままだったり、
ピンク色だったりする場合には
2つパターンがあることがわかりました。
- 加熱不十分で生焼け状態の場合
- 十分加熱されているけれど未変性ミオグロビンの影響で赤いままである状態
1は食べると危険、2は食べても大丈夫
となると、豚肉の赤い色やピンク色だけでは
判断できず難しいですよね?
薄切りのお肉なら通常加熱とともに
赤い部分は白っぽくなると思いますので、
加熱しても赤いままで心配な場合は
厚労省の基準である、
63℃の熱で30分以上、75℃の熱で1分以上
という加熱時間で判断して問題ないと思います。
ただ、ローストポークのような厚いお肉の
場合は、見た目だけで見分けるのは難しいでしょう。
きちんと食品用温度計を用いて
中心部の温度を測ると安心です。
特にローストポークはピンク色だからこそ
お肉が柔らかく美味しそうに見えますよね?
見かけはおいしそうなピンク色だけど、
生焼けではなく中心部も十分加熱されていて
安心して食べられる状態が理想です。
いずれにせよ、豚肉の生食は禁止されている
ので、生焼け状態だとわかったら、
すぐに食べるのはやめて
十分に加熱してから食べるようにしてください。
99%加熱されていて1%生の赤い部分が
残っていた豚肉を食べたとしても、
健康な人ならおそらく大丈夫でしょう。
しかし、日本の検査は厳しいから
病原菌を持った豚肉は売られていないだろう
と過信するのもよくないと思います。
何事も100%安全ということはあり得ませんし、
家畜のウィルス感染などは広まりやすいので
十分に注意が必要です。
また、人間側も疲れていて体が弱っていると
食中毒になりやすかったり、
小さい子供やお年寄りも危険性は高いです。
美味しく栄養満点の豚肉は、
私たちにとって身近で貴重な食材です。
これからも調理や食べる時は衛生面に
十分に注意して、
おいしくいただきたいですね。
まとめ
豚肉を加熱したけど赤いまま、もしくはピンク色だった時、生焼けかもしれないからもっとよく焼くようにおばあちゃんに言われたことがあるなー。でも大丈夫な場合もあるんだね。
豚肉は日本人の食生活と密接な関係があるから、ちょっとくらい赤くでも大丈夫なんて油断しないで、健康のために十分加熱して安心して食べたいわね。時々、加熱しても赤いままで心配なことがあったけど、理由がちゃんとわかって安心したわ~。